とあるマスターの話、横浜中区にある散髪屋に髪を切りに行った。
50代後半ぐらいのマスターが経営している散髪屋だった。
祝日でもお昼すぎだったからか、お客さんは誰一人としていない。
金髪ボサボサ頭の僕は、予約してなくてもカットができることを確認して席に着いた。
今どき金髪なんて珍しいね、少し前までは結構いたんだけどね
僕は髪を切るときはあまりしゃべらず、美容師さん達の話を聞くのですが、このマスターの話は一味違いました。
21歳で新潟から上京して床屋で働き始めた彼。初めはボクサーを目指しながら仕事が終わってはボクシングの練習に明け暮れる日々だったそうです。
お金がなかなかたまらない状態で彼なりに一生懸命働いて、めんどくさいなと思うことでも一生懸命やったそうです。なぜ床屋になったのか、どうして横浜で店を構えているのか、彼の人生観など話を聞いていて一つ言った言葉がとても印象的でした。
地方から上京してきた若者は大変だ。
関東ではお金はたまらないだろう。
でも信頼は貯まるよ。
人生の中で、マスターは必ず一生懸命やっていたそうです。「努力は必ず報われるわけではない」と言っている人も多いけどそんなことはないよと、笑いながら話しながら。みんなにかわいがられるように一生懸命仕事をしなさいよというお言葉をいただきました。
最後に名前を聞かれて、また来なさいねと言われたのですが、話を聞きながらその内容もさることながら、彼は自身のブランディングが上手く、ファンも多いんだろうなと思いました。
人生って人の数だけあるんだなーと改めて思う一日でした。